「虹色ボックス」の名前の由来をよく聞かれます。この名前を命名した当初、「虹色ボックス」は、キャリアデザインを行うためのツールでした。学校のテストでよい点を取るだけが将来を決める手段ではなく、何でもよいから自分の好きなこと、得意なことを探して、それを深めていけば、きっと虹色に輝く未来が待っているよといった思いを込めて命名しました。それぞれに個性があっていい、向かう先はそれぞれ違っていていい、といったことを子どもたちが気づけるようなアプリの開発を考えていました。
その時に作成したアプリのプロトタイプは、マインドマップをデジタル化し、自分の考えをカラフルに表現し、関係性を考えながら枝葉を伸ばしていくことで、いろいろな発想を生みだしていくというようなことを絵(マインドマップ)で表現する仕様でした。以前若者の就労支援をキャリアコンサルタントとして行っていた時に、マインドマップを活用した実践授業がとても良い結果を生み出していたので、その経験に基づいて発案しました。
ところが、色彩豊かなペンを使ってフリーハンドで描いていく紙のマインドマップと違って、デジタル版は直線的で豊かな表現ができない、画面の制約などから葉っぱの広がりが表現できないなどなど、想像していたアプリとはかけ離れたものが完成してしまいました。
そんなとき、2020年度からプログラミング教育が必修化されるという話が聞かれるようになり、当社でもプログラミング用の学習アプリを開発する検討が始まっていました。検討にあたりプログラミングソフトのScratchを起動したときに、カラフルなプログラミングブロックが目に飛び込んできました。第一印象は、カラフルで楽しそう、そして、夢がある!
Society5.0を生き抜いていく子どもたちには、プログラミングは必須であり、プログラミング的思考を身につけることができたら、どんな分野にあっても自分の好きなことが実現できそうだなと考えました。そのとき、キャリアデザイン教材からプログラミング教材へと「虹色ボックス」の名前が引き継がれる瞬間となりました。