【指導案】いじめといじり、どう違う?

この指導案は、敬愛大学教育学部阿部研究室で作成されました。

基本情報

主題名いじめといじり、どう違う?  C -(11) 相互理解、寛容 A -(2) 正直、誠実
教 科道徳

教材について

「いじめといじり、どう違う?」
ウェブマンガ教材「いじめや人権、話し合おう、変えていこう。(Changers)」より

「いじり」という言葉が、私たちの日常生活の中でも気軽に用いられるようになってきた。また、いじりといじめの境界を問うような議論もなされるようになってきた。いわゆるいじりという行為は、一見あからさまないじめに見えないことも多い。コミュニケーションを円滑にするために必要な行為なのだという意見もある。自ら「いじられキャラ」としてふるまいたいという人もいるだろう。一方で現実には、いじられる側が苦痛を感じたり、我慢を強いられたりする場合もある。いじる側は「楽しいからやっている」「場がもりあがる」というように暴力性に無自覚的であるかもしれない。こうした状況においては、いじられる側が声をあげることは難しい。いじられる側が、いじめられていることを受け入れたくないあまり、「これは日常のコミュニケーションの範囲内のよくある出来事なのだ」と思い込んでしてしまうこともあるだろう。
本授業では、日常において「いじりゲーム」が生じうることを自覚し、そのゲームのルールはいかなる理由によりチェンジすべきものなのか、あるいはどうチェンジしうるものなのかということを考えたい。教材では、主人公「ジュン」が友人からいじられ始め、もやもやした気持ちを抱えながらも「いじられキャラ」を受け入れるか否か悩む様子が描かれる。主人公の悩みを想像しながら、問題について話し合っていきたい。

話し合いのポイント

• いじられる側が表面上はノリをあわせていたとしても、実際には苦痛を感じていたり、我慢を強いられていたりすることがある。また、いじる側が「みんな楽しんでいる」と思い込んでおり、自身の行為を正当化して捉えていることがある。
• 一度いじりを許容するような空気ができあがってしまったり、いじりがエスカレートしてしまったりすると、その状況を変えることが難しくなる。特に、いじられている本人が声をあげることは難しい。
• いじられている側が、いじりを止めてほしいのか、いじられキャラを受け入れたいのか、自分でもよく分からなくなってしまうことがある。

指導計画

マンガに描かれている問題点を共有する。

・いじりとはどういう行為か、いじりと聞いてどういうことを連想するか、日常の中で具体的にどういうことがあるか等について考える。
・教材「いじりといじめ、どう違う?」を視聴する。
・教材の内容や問題点をおさえる。
・どのような問題が生じているのか(ジュンさんは何にこまっているのか?)を確認する。

補足・留意点

身近な例をあげ、本時のテーマについて想像しやすくする。

問題点について深く考えるために、登場人物の状況や気持ちを想像する。

・ Q:あなたがジュンさんだったら、このあとどうしますか? 自分の考えに近いものを次の選択肢から選んで、理由も書いてください。
A:いじられキャラを受け入れる
B:「いじるのは止めて」と訴える。
・ 「わくわくの実」と「意見分類」を自由に見て、クラスメイトの意見や、クラスの状況を把握する。

補足・留意点

「AIAIモンキー」の設問1を用いて、選択肢と理由を提出させる。

クラス全体で、問題点について多面的・多角的に考える。

クラス全体に対して、個人の意見やAIAI モンキーを見た感想を発表する。
例:嫌なことや嫌だとはっきり言うべき、いじられキャラでいるのも悪くない、空気を悪くするのでキャラを受け入れる、いじる側が気づくべき等
・ 発表された意見をもとにして、「話し合いのポイント」を参考に、クラスの状況に応じて話し合いを深める。

補足・留意点

・ 発表者に対して、選択の背後にある価値観を確認したり、相反する意見についてはどう思うかたずねたりする。
・ 意見が出づらい場合は、登場人物の心情や願いについて改めて想像させてみる。
・ 特定の立場からの解決策を発表して終わるだけでなく、その解決策を採用した際に困ったり傷ついたりする人はいないか想像させる。多様な意見を歓迎するが、いじめに類する行為や違法行為自体を積極的に肯定するような意見に対しては、思いを受け止めつつ、その行為の問題性について適切に理解をしてもらうよう留意する。

まとめ:いじめゲームを変えるためには?

・ 本時での話し合いを踏まえた上で、教材のような問題に直面したとき、傷つく人がいなくなるようにするためにどうすれば状況を変えられるかということについて考える。
・「わくわくの実」と「意見分類」を自由に見て、クラスメイトの意見や、クラスの状況を把握する。
・「振り返り」に本時全体をとおしての振り返りを書く。

補足・留意点

「AIAIモンキー」の設問2を用いて、自由記述で提出をさせる。

指導案ダウンロード

本授業の指導案は、下記よりダウンロードできます。

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